バンテスト魔法書の保持者
目を開けると、真っ暗な空間にいた。
目の前には、1冊の茶色の表紙をした本が浮いている。
僕は周りを見回す。
本棚がいくつもあり、そこにびっしりと詰まった沢山の本。
その本棚にはどれも何本もの鎖が絡み付いている。
これは、彼女のイメージ。
それを僕の脳内に送り込んでいるんだ。
現実の僕は、彼女と手を絡めて眠っている状態だろう。
「子猫ちゃ〜ん?」
声を出して本人を呼ぶが、返答はなかった。
空しく僕の声が響くだけ。
溜め息をつく。
足が地面についている感覚はないので、僕はきっと浮いている状態なのだろう。
歩きたいがそれはできない。
第一、ここが彼女のイメージというなの精神世界の中ならむやみに動かない方がいい。
「!」
突然、目の前にある本が光出した。
何かに導かれるように、僕は本に手を伸ばす。
「っ、!」
触れた瞬間本が開き、僕の目の前が光におおわれた。