バンテスト魔法書の保持者
暗い瞳で、ファーザーは私に言う。
逃げて、と。
1人で、森を出て遠くへ。
酷な命令を私にする。
「い、いや‥‥‥」
「ファル、お願いだ‥‥‥」
ギューッとファーザーが私を強く抱き締める。
震えてる‥‥‥
ファーザー、力を緩めてよ。
お顔が見えない。
いつもみたいに、優しく微笑んでよ。
大丈夫だって言ってよ‥‥‥
「話はすんだか?」
「「!」」
「これ以上は待てないんだよね。サクサク行くよ」
ゾワッ
背筋に何かが走った。
高い魔力を感知する。
大きな魔方陣が展開されてるのがわかる。
2人で1つの大きな魔方陣。
「ファー‥‥‥」
「ファル、決して振り返ってはいけないよ」
顔を上げれば、目の前いっぱいにファーザーの顔。
あ‥‥‥
笑ってる。
ファーザーが、優しく笑ってくれてる。
「我が求めるは聖なる神の光なり。神聖なる光をもって、かの物を打ち滅ぼす聖なる雷を今…
光の雷よ、かの者に終焉にして永遠なる光の裁きを‥‥‥今ここに解き放つ‥‥‥」
「聖なる加護を、愛しい者へ」
ファーザーがオデコに優しく口づける。
ファーザーの、天使の加護が私に宿る。
逃げて、と。
1人で、森を出て遠くへ。
酷な命令を私にする。
「い、いや‥‥‥」
「ファル、お願いだ‥‥‥」
ギューッとファーザーが私を強く抱き締める。
震えてる‥‥‥
ファーザー、力を緩めてよ。
お顔が見えない。
いつもみたいに、優しく微笑んでよ。
大丈夫だって言ってよ‥‥‥
「話はすんだか?」
「「!」」
「これ以上は待てないんだよね。サクサク行くよ」
ゾワッ
背筋に何かが走った。
高い魔力を感知する。
大きな魔方陣が展開されてるのがわかる。
2人で1つの大きな魔方陣。
「ファー‥‥‥」
「ファル、決して振り返ってはいけないよ」
顔を上げれば、目の前いっぱいにファーザーの顔。
あ‥‥‥
笑ってる。
ファーザーが、優しく笑ってくれてる。
「我が求めるは聖なる神の光なり。神聖なる光をもって、かの物を打ち滅ぼす聖なる雷を今…
光の雷よ、かの者に終焉にして永遠なる光の裁きを‥‥‥今ここに解き放つ‥‥‥」
「聖なる加護を、愛しい者へ」
ファーザーがオデコに優しく口づける。
ファーザーの、天使の加護が私に宿る。