バンテスト魔法書の保持者

刹那的、ファーザーは私を自身の後ろへ突き飛ばした。


「〈エターナル・ラグナロク・・・ホーリーフラッシュライト・ライトニング〉」


「いきなさい！！」


「ッ」


力強い声。


私は反射的にそれに従い、走り出した。


振り返ってはいけない。


森を出れば、瞬間移動の魔法が使える。


走らないと、走らないと。


キィィン！


「わっ！」


大きな爆風と、聞くに堪えない音。


私は爆風によって身体が浮き、前に大きく転がった。


身体がギシギシと傷む。


そして‥‥‥


「あ‥‥‥」


私は、振り返ってしまった。


見えたのは、再び炎に包まれる森。


鉄の鎧を身に纏った、外の人達。


地獄‥‥‥


精霊の泣く声がきこえる。


草木の、木々の泣く声がきこえる。


森の仲間の叫ぶ声がきこえる。


耳をふさぎ、その場にうずくまる。


嫌だ‥‥‥いやだ‥‥‥イヤだよぉ‥‥‥


助けて、タスケテたすけて。


タッセン、ユーン、皆‥‥‥


ミリウリアス様‥‥‥


ファー、ザー‥‥‥


「！」


そこで、私は気づいた。