バンテスト魔法書の保持者

魔法なんか私に効かない。


そんな、荒っぽいモノは魔法じゃない！


ファーザーはそんな魔法は作らない。


森の皆の方が綺麗だ。


「〈サンダーボル‥‥‥〉」


「遅い！」


皆に酷いことしたんだ。


私の家を壊したんだ。


手加減なんかしない。


「はあぁぁぁあ！！」


敵を切り裂く刃。


自分が血に染まっても関係ない。


ファーザーはもっと痛かった‥‥‥


今もきっと、頑張ってる。


「邪魔しないで！」


四方からとんでくる雷の魔法。


そんな荒い雷は無駄。


光の剣で雷を切り裂く。


そしてその雷を剣にまとわせ、剣を投げる。


そしてまた手に光の剣を想像(創造)する。


「ハァ、ハァ、ハァ、」


「ば、化け物め！」


化け物？


化け物だって？


私が？


私からすれば、あなた達の方が化け物だ。


鉄を纏った人達。


その人達の瞳には、血で染まった私が写っていた。


行かなきゃ‥‥‥‥


私はただ、真っ直ぐ走った。