バンテスト魔法書の保持者
アロピーラは、デン先生がいったようにハーブの一種だ。


甘い香りや味がし、貴族のお茶会などでもよく出される。


クッキーなどにしても美味しいらしい。


値段はそれなりにするため、平民の人達にとっては高級食材。


栽培が難しく、売ればいい値がつく。


「なぜアロピーラが?」


「この学園って、結構ドロドロしたことが多いのよ。それに、アロピーラは興奮した人達を落ち着かせる鎮静効果もあるし」


アーケイ先生もそんなこのを言っていたな。


まぁこの学園で功績があがるだけで、将来が大きく左右されるといっても過言ではない。


さて、それにしても‥‥‥‥


「レイト、何故保健室にいるんだ?」


この王子は非常に邪魔だ。


早く出て行ってほしい。


「ユカナ先輩に階段でぶつかってしまって、それで足を挫いてしまったユカナ先輩に付き添ったんだ」


「私は別によかったんだけど‥‥‥レイト様が付き添ってくれたの」


さっきから、頬を染めてこちらを見てくる
ユカナ先輩。


俺に好意を抱いている。


断じて自惚れではない。


こういう女と関わって、ストーカー好意をされたのは一度や二度ではない。


「ね、ねぇ、リオウ君」


「はい?」


「その、リューラさんと、付き合ってるの?」


ユカナ先輩の顔は、真剣だった。


こいつは絶対に裏がある。


こういう人間も、俺はよく知ってる。


「いいえ、俺達は幼なじみです。ただ、幼い頃から共に生活してきたので家族も同然です」


「妹、みたいなもの?」


だんだんと、ユカナ先輩の顔が変わってきた。
< 46 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop