バンテスト魔法書の保持者
そういえば、ハクライ草は教会の料理にもよく使われていた。


臭いはともかく、味はとても甘い。


それに、他の匂いを引き立たせる効果ももつ。


砂糖のかわりによく使った。


リューラはハーブティーを飲み終えると、デン先生にカップを返す。


レイトにも、ユカナ先輩にも警戒は怠っていないがいつもの無表情で余裕そうなリューラに戻っている。


その事に安心して、リューラの頭を撫でた。


「ん、何?」


「いや、安心しただけだ」


そんな俺達の空気にレイトは驚いていていた。


そして、ユカナ先輩はやはり無表情で俺達を見ていた。


リューラはそんな空気にえきれなかったのか、
ベッドから立ち、出入り口に向かった。


俺もそれについていく。


「デン先生、ミミル先生、ありがとうございました」


「‥‥‥ありがとうございました」


「また何かあったらきて下さいね」


「お大事に~」


そして、俺とリューラは退室した。





辺りは少しだけ暗くなっていた。


それそろ夕飯の時間か。


「リオウ」


廊下を歩いていると、レイトがやってきた。


レイトの声に、リューラの顔がピクリと動く。


「何だ?」


「いや、夕食を食べにいこうと思って」


Sクラスは学食のお金は免除される。


ネクタイピンを出せば、どんなに食べてもお金はかからない。


「レイト様、リオウ君!!」


そして、次にユカナ先輩がぎこちない足取りでやってきた。
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