バンテスト魔法書の保持者
教会の奥にある部屋。


リオウがドアをノックする。


「リオウとリューラです」


「入りなさい」


奥から優しい男性の声がする。


ああ、嫌だな、逃げたいよ。


「失礼します」「失礼します」


そう言って入ると、存在感の凄い白い服をきた男性。


ここの司教のディライ様。


優しく微笑んでいる顔に茶色い髪と瞳。


30歳とまだ若い司教様。


前の司教の息子だったりする。


司教が変わったのは3年前と結構最近。


「やぁよくきたね。そこに座ってくれ」


声質も優しい。


私はこの人が結構好き。


優しいけど、ちゃんと自分の強さを持ってる。


ソファーに座って、ディライ司教と向き合う。


「ディライ司教、何のご用ですか?」


リオウが聞くと、ディライ司教の顔が一気に険しくなった。


「それがね、リューラとリオウに王都国立ハンラルト学園から入学証が届いたんだよ」


「は?」


「‥‥‥‥?」


リオウは言葉を無くしたように固まった。


私は頭に?を浮かべて首を傾げる。


王都国立ハンラルト学園。


世界有数の大国、ハンラルト国が誇るエリートが集まる学園。


その学園に入ることが出来れば、将来安定がほぼ確定といっていい。


ハンラルト学園は、世界で1番難易度の高い学園といってもいい。


ゆえに、そこには名門貴族はもちろんの事、王族も入っていると聞く。


法律では、子供は5歳から魔法の勉強を許され、5歳から14歳までは『学校』に入れる。


そして、14歳から18歳まで『学園』に入ることが許される。


まぁ学園に入れるのは、ほぼほぼ貴族と王族だけど。


お金とか足りないし。
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