バンテスト魔法書の保持者

魔術装備と使い魔と


ハンラルト国の森は危険だと有名だ。


獰猛な魔獣が沢山いる。


だが、それだけではない。


美しく花、豊富な種類の草木。


沢山の種類の動物が沢山住んでいる。


人の多く住む街の近くで、ここまで豊かな森はそうそうないだろう。


「この辺でいいだろう」


森の中を歩いていた私とリオウは、小さな湖を見つけた。


そして、私とリオウは同時に口を開く。


「こい、イザーク」「ルクス」


名前をそれぞれ呼ぶと、私の目の前に大きな白いライオンが現れた。


白銀の美しい毛並みは神々しく輝き、透き通るかのような灰色の瞳をしていて、今は穏やかな雰囲気が宿っている。


ルクスは私の使い魔で、私の仲間。


魔獣の中で、最も高位とされる聖獣。


「ルクス、久しぶり」


「一週間だぞ。そこまででもなかろう」


発された声は低く心地いい。


「イザーク、久しぶりだな」


一方、リオウの前にいるのは人2人は乗れるだろう大きく美しい青い鳥。


どこまでも深い青色の毛並みは光に照らされるとよりいっそう輝き、瞳は夜空を思い浮かばせる。


「お久しぶりです、リオウ様、リューラ様」


イザークもルクス同様、聖獣。


私達は大事な仲間。


「主よ、学園というところはどうだ?」


「ルクス、私の中にいた。ずっと見てた」


「主に何かあってはいけないからな」


「私の気持ち、感じとれる。いちいち聞かなくていい」


使い魔と主人は一心同体も同じ。


使い魔は表に出てきていない間、主人の中にいる。
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