バンテスト魔法書の保持者
試合を見ながら耳を傾けていると、ライドが口にだしたことは衝撃なものだった。


「思い出した!俺の城にきたことがある!」


「はぁ?あんたの城に?」


「ああ。あいつ、レッドスカーライトの団長の娘なんだよ!!確か、ルシータ・マカロスだ」


それを聞いた辺りの全員が息を呑んだ。


レッドスカーライトといえば、エレキーラ国で最強を誇る魔法ギルド。


いや、南大陸では、1、2位を争うギルドだ。


そこの団長に、まさか娘がいたとは。


ライド達が話している間に、試合はハードになっていた。


弓を一気に5本うったりしているマカロス。


それに加え、スピードも威力もある。


既に生徒としての範囲を越えていた。


一方リューラは、矢を上手くかわしている。


避けていたり、矢を斬っていたりしているが、
防戦一方になっている。

   ・・・・・・    
いや、そういうフリをしている。

         ・・
その証拠に、魔法は全く使っていない。


というよりも、勝つかどうかを迷っているようだった。


すると、ふいにリューラの動きが止まった。


いや、足が動けなくなっている。


足の下には魔法陣が描かれていた。


トラップ式の動きを封じる魔法。


魔法陣から出てきた無数のロープが、足に絡みついている。


「我の呼びかけに応えし精霊達よ、聖なる矢となりて、敵を貫け!ライトニングアロー!!」


放たれた矢は電光石火の速さでリューラに襲いかかる。


スピード、威力、大きさ共に十分だ。


並みの者では、防ぐことも避けることもかなわない。


おまけに、魔術装備の弓のおかげで結界を挟んでも威力がわかるほど。
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