バンテスト魔法書の保持者
あれに貫かれたら一発で終わるだろう。


だが、リューラはマカロスが魔法を唱えているうちに既に魔法陣を空中に描いていた。


「〈マジック・インヴィーディッション〉」


そうリューラは呟くと、魔法陣から眩い白い光が放たれた。


そして、今まで構成されていた全ての魔法がパリンと音をたてて砕け散った。


試合用の結界 放たれたいた矢 そして拘束していた魔法は、全て跡形もない。


驚いたマカロスは硬直し、リューラはその隙に剣をマカロスの首もとに当てた。


「‥‥‥‥‥レイカ先生、判定」


まだ状況が理解できていないレイカ先生は、
リューラの声に戸惑いながら返事をしる。


「し、勝者、Fクラス リューラ!」


その言葉と共に、試合が終了した。



*********************



試合が終了して、私はルシータの首から剣をはなす。


まだポカンといているルシータ。


予想以上に強く、少し手間取って魔法を使ってしまった。


マジック・インヴィーディッション

その場で発動されている全ての魔法を消すことのできる魔法。

操ることは出来ず、これを発動すると可能な範囲全ての魔法を強制的に消去する。

古式魔法で発動は遅いが、威力は抜群。

上級魔法に分類される魔法だが、一定の魔力と魔法陣があれば簡単に発動できる。

その魔法陣がちょっと複雑だから、使う人はそうそういない。


「ルシータ、強い、ね」


「え?あ、本当ですかぁ?リューラさんもとっても強かったです。楽しかったし、またしましょう」


「ん、またの機会に」


ルシータと握手を交わす。


すると、ランナとルリ、そしてレイカ先生が早足で駆け寄ってきた。


「ルシータすごいわね!すごく戦い慣れてた感じがしたわ!」


「リューラちゃんすごい!あの状況であんなに冷静に魔法を使えるなんて!」
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