バンテスト魔法書の保持者
確かにルシータの戦術はすごかった。


動きが読まれてるみたいに矢を打ってくるからやりにくかったし。


「マカロス!お前、どこであんな魔法の使い方を習ったんだ!?」


レイカ先生が怒鳴るようにルシータに聞く。


五月蝿くてルシータは顔を一瞬しかめたが、すぐにいつもの笑顔を取り戻した。


「お父さんに教えてもらったんですよぉ」


「父親?いや、それにしても、学生であの魔力の使いこなしといい、身体運びといい、生徒レベルを越していて‥‥‥‥」


考えているレイカ先生。


そして、ルシータはとんでもないことを言い出した。


「見くびってもらっては困りますね。私は魔法ギルド・レッドスカーライトで、ギルドランクAを実力で勝ち取りましたから」


シーンと辺りが静まり返る。


ギルドランク 魔法ギルドに所属している者なら必ず所有しているランク。


ギルドによってランクの付け方はさまざま。


だけど、レッドスカーライトとなる世界トップクラスのギルドになると、ギルドランクを上げるのも一苦労だと聞いた。


ギルドランクはF~Sまである。


ギルドには何時も絶えなく『依頼』がある。


その依頼もF~S級まであり、同じランクの依頼を受けるのが普通。


レッドスカーライトのランクA‥‥‥‥


さっきの試合のルシータは、本気ではなかった可能性が高い。


ルシータは、フワフワとした見た目に似合わずガンガン攻めてくるパワー系。


いったいどれだけの力を秘めてるだろう?


ちょっと怖い‥‥‥‥


「レ、レッドスカーライトだと!?お前はそこの団員とでもいうのか!?」


「そうですよ~。まぁ入ったきっかけはお父さんがそこのギルドマスターだからなんですが」


ピシッと今まで働いていた思考が止まった。
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