バンテスト魔法書の保持者
驚きのあまり、ルシータを凝視する。


「‥‥‥マカロス。ルナイト・マカロス」


「あら?リューラさん、もしかしてお兄ちゃんと面識があるのですか?」


ルナイト・マカロス

レッドスカーライトの時期ギルドマスター候補と呼ばれるほどで、ギルドランクSの実力。

確かにルシータはルナイトと少し似ている。

確かに彼とは面識があるけど‥‥‥‥


「リューラさん?」


ここじゃあ人が多すぎるな。


話すなら寮がいいな。


「‥‥‥‥まぁ。また、話す」


私が周りを見ながら言うと、ルシータは察してくれたようで何も聞いてこなかった。


ルシータの衝撃な事実を知った周りの人達は、
硬直してルシータを見ている。


いや、何も皆が皆固まることないんじゃ?


「おい、お前!!」


唐突に、聞き覚えのある大きな声が響いた。


そして、人混みをかき分けてライドさんがズカズカとなにやら真剣な顔でやってくる。


よし、私はここから去ろう。


あの人苦手だし、うん、そうしよう。


「逃げんな!」


そのまま回れ右をして逃げようとすると、ライドさんは私の前に立ちふさがる。


「お前、今の試合、本気だしてなかっただろ」


どんな答えを求めているのか、何が理由なのかわからないが、答えるまで通してくれなさそうなライドさん。


ふむ、どう対処をつけようか。


そして、こっちもだけど‥‥‥‥


「どうなん‥‥‥」


「炎さえも凍てつかす氷の槍よ、敵を貫け
〈フリージングランス〉」


私の横に冷気を放つ大きな氷の槍が出現。


それは命令すると動き、真っ直ぐにライドさんを横切る。


そして‥‥‥
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