バンテスト魔法書の保持者
〔グギャア!!〕


命令通りに敵を貫いた。


「な、なんだ!?」


私が貫いたのは、学生の姿をしたナニカ。


貫かれたナニカは、フリージングランスによって貫かれた場所から凍っていく。


氷はにった敵は、砕け散り蒸発した。


「リューラさん、あれはいったい‥‥‥?」


ルシータの質問にただ首を振る。


敵は‥‥‥1体ではない。


目を閉じ、周囲の人の魔力を感じる。


そこにまじっている、人の姿をしたナニカ。


「〈フリージングランス〉」


もう1本氷の槍を出し、ナニカを貫いた。


〔グギャア!!〕


不気味な叫び声をあげ、同じように消える。


「マカロス!!」


レイカ先生が叫ぶと同時にルシータの方を見ると、そこにはすでに敵が迫っていた。


無詠唱で身体に強化魔法をかけ、スピードを上げる。


手にはツインフォルテをもち、相手を斬りつける。


「っ、!!」


だが、斬りつけたものはスライム状になり、そのスライムが私の方に向かって伸びてくる。


「バリア」


リオウの声が聞こえると、目の前に光の壁ができていてスライムはそれにぶつかった。


「リオウ、コア」


守ってくれたリオウにそれだけを伝えると、理解したリオウは魔法を使う。


「〈ライトニングランス〉」


リオウの横に光の槍が出現し、スライムの中にある白い玉を貫いた。


すると、スライムはみるみるうちに蒸発していく。


敵は‥‥‥もういないか。
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