バンテスト魔法書の保持者
オーガ先生の様子じゃ、理事長は教師に生徒を徹底的に管理するように言ってそう。


そして、何か不信な行動などをすればすぐに切れ捨てるか何かするわけだ。


まったく迷惑な話だな。


「今の状況は事情聴取をしたっていう事実を残すためのものだ。だから、お前を疑ってはいない」


よかった、面倒事は避けられそう。


「今日はもう授業はないだろう?寮に戻って休息をとれ」


「失礼しました」


オーガ先生の言葉に頷き、部屋を退室した。





*********************





「リューラ!」「リューラさん!」


寮に戻ると、1階のロビーでルシータとランナが出迎えてくれた。


「おかえり。どうだった?疑われたりした?」


ランナの質問に首を振ると、2人とも軽く息を吐いた。


心配、してくれたのかな?


「リューラさん」


「?」


「助けてくれてありがとう」


ルシータが笑顔で言った言葉を聞いた途端、頬が赤くなる感覚がした。


少し恥ずかしくて、そっぽを向く。


‥‥‥‥久しぶりに言われたかも。


悪い気はしない、かな。


改めてルシータの方を見ると、横でランナがニヤニヤと笑っている。


「あれ?リューラ照れてるの?」


そう言われてまたそっぽを向いた。


「それで?」


「え?」


「なんで、部屋じゃない?」


「今日、私とルシータで夕食を作ったの。もちろん、リューラの分も。一緒に食べない?」
< 85 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop