バンテスト魔法書の保持者
今から作るのも面倒だし、いいか。


私が頷くと、2人とも笑顔になる。


そして私の手を取った。


「それじゃあ行きましょう~」


「リューラ、行くわよ」


私は2人に引っ張られながらついていった。





*********************





今日も1日が終わる。


私は就寝時間がとっくに過ぎているのにも関わらず、寮の屋上に来ていた。


空には星々が輝き、暗い夜を照らしている。


風があり、ワンピース1枚じゃ少し寒い。


今日は楽しかった。


新しい武器にランナ達との夕食。


この学園に来て、初めて感じた喜び。


私は広い屋上の真ん中に立ち、両腕を大きく伸ばす。


風を受けた髪とワンピースがはためく。


キィー


不意に屋上の扉が音を立てて開く。


「?」


現れたのは制服姿の女子生徒だった。


綺麗な緑の髪に透き通るような黄緑の瞳。


見たことのある顔だった。


学園第4位、女子1年の中では首位の実力をもつ、エアネード国の第2王女。


名を ミネアルナ・エアネード


身長は私より高く、大人っぽい雰囲気。


お互い顔を合わせても無言だった。


ミネアルナさんは初め、私を見て少し驚いた表情をしたが今は無表情。


「‥‥‥‥」


「‥‥‥‥」


静まり返った時間がただ過ぎた。


ゴーンゴーン ゴーンゴーン


ハンラルト国の1日の終わりと始まりを告げる金が鳴った。


私はその鐘と共に反対側のドアから、寮の中に戻った。









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