バンテスト魔法書の保持者
そういえば副担任、まだ知らなかったっけ。


ミランダ先生はクラスを見渡すと、ニカッと笑顔を見せた話し出した。


「副担任をつとめるミランダ・シャルネスだ。
全学年の使い魔についての授業をしている。そして‥‥‥」


ミランダ先生は手をポンと叩く。


すると、ミランダ先生の隣に全体的にオレンジの毛並みをしている可愛い狸が現れた。


先生は狸を抱き上げて言う。


「こいつはあたしの相棒のキーナ。こいつのことも覚えてやってくれ」


キーナはミランダ先生の腕の中から飛び出すとそのまま足元に隠れた。


「あ～ちょっと人見知りなんだ」


キーナは人馴れしているのか、隠れるだけで威嚇したりはしていない。


うーむ、なかなか‥‥‥


キーンコーンカーンコーン


授業始まりのチャイムがなり、ラベル先生は教室を出て行く。


ミランダ先生はそのまま教卓の前に立ち、１時間目の授業が始まった。


「えーじゃあ、このクラスで既に使い魔を連れている者は何人いる？」


手を上げたのは５人。


その中にはルシータも入っている。


「キューン」


「お、キーナ、どうした？」


ミランダ先生が教室を見渡すと、キーナが今度は飛び出した。


そして、私の机の上に座る。


‥‥‥やっぱり来るか‥‥‥


キーナは私の中にいるルクスに反応したのだろう。


手を上げなかったからか。


「お前‥‥‥えっと、リューラか？」


「‥‥‥はい」


「もしかして、使い魔連れてんのか？」


「‥‥‥‥」


無言は肯定を意味するもの。
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