バンテスト魔法書の保持者

ミランダ先生はそう言うと、さっきの問題のことを黒板に書き出した。


全部基本問題だったな。


まぁ初めのうちはそのくらいか。


「じゃあ最後に、使い魔召喚する時の魔法陣と呪文を覚えとおいてくれ」


黒板には魔法陣と呪文が書かれた。


召喚魔法は魔力で魔法陣を描かない限りは発動しない。


そして使い魔召喚の魔法陣は個人の名前と魔力属性を描く部分があり、複雑で個人によって魔法陣が異なる。


中には２種類の魔力属性を持っている者もいるので、描く魔法陣は必ず専門の人に審査してもらう必要がある。


私の場合は、水属性でリューラと学園に登録してあるから、そういう魔法陣をミランダ先生に見せることになる。
　

キーンコーンカーンコーン


「じゃあ、次の授業までに魔法陣を紙に書いて私に提出してくれ。キーナ、戻っていいぞ」


ミランダ先生が言うと、キーナが消える。


そして、ミランダ先生も教室を退室した。


「リューラ」


「‥‥‥ランナ」


「リューラって、使い魔連れていたのね」


「ルシータ、連れてる」


「内緒にしてた訳じゃあないんですよ」


「羨ましいな～。私も早く欲しい」


「あら？ルリさん、持ってないの？」


「アルテの後継者は今の段階ではリルだから。
兄も一応いるんだけど‥‥‥」


「あ、それ私知ってる。確か、失踪しちゃったんでしょ？」


「そうなの～元から自由人だったんだけど、今いったいどこで何をしているのやら」


ルリ、お兄さんいたんだ。


ルリは大きな溜め息をついているが、その顔はどこか笑っている。


あの顔は‥‥‥憧れ、かな？


お兄さんと仲が良かったんだな～


「召喚魔法か～。テスト合格しないとね」