バンテスト魔法書の保持者
リオウがこんなに疲れてる。


珍しいな。


何故か私の頭を撫でるリオウ。


うん、雰囲気は優しくなったかな。


「リューラはどうだ?」


「友達、出来た」


「そうか。よかったな」


リオウは手を下ろすと、壁にもたれる。


それから重い溜め息を一回ついた。


最近、Fクラスとか職員室でもリオウの噂聞くからな~


人気者も辛いのか。


「あ、リューラちゃ‥‥‥」


「ルリ」


ルリが私の名前を呼んだ瞬間、固まった。


理由はまぁ、リオウだろう。


「リュ、リューラちゃん、えっと、この方、」


「リオウだけど」


「し、知り、合いなの?」


「(コクリ)」


あたふたしてパニクるルリ。


うん、面白い。


「あら、ワースト1と落ちこぼれじゃない?」


その言葉に、声に、ルリの顔つきが変わった。


顔を歪め、それから無表情になる。


そしてルリは後ろを向いた。


「リル様、お久しぶりです」


リル・アルテはルリの双子の姉。


確かに顔は似ている。


それなのに、ルリはまるで上の者に振る舞うような態度をとる。


アルテ家‥‥‥何かある。
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