Under the ROSE
男性にしてはやや高めの幼さを残す声に振り向くと、白地に黄丹の刺繍の施された礼服を着たアルフォンスの横に、華やかな橙のドレスに身を包んだレゼッタ姫がその背に隠れるように立っていた。
彼女を招待した覚えはないのだが……。
一瞬だけ言葉を失っていると、レゼッタ姫がアルフォンスの影からおずおずと出てきてセリスに微笑みかけた。
「すみません、セリス様。私が殿下に無理を言って連れてきていただいたのです」
茶褐色の髪に可憐な白い花を咲かせた姫は、かわいらしくお辞儀をする。
「セリス様はわたくしのお姉様になられるお方。わたくし、セリス様とも仲良くなりたいのです」
「……嬉しいわ、レゼッタ様。どうぞこちらへ」
左手を差し出して侍女に椅子を引かせると、レゼッタ姫は頬を染めて愛らしい笑みを浮かべた。
それに笑みを返しながらも、胸の中にはどす黒い感情が渦巻いていた。
隣国の大事な姫を、巻き込むわけにはいかない。
これも策のうちか、それとも単なる偶然か。
「姉上、ご招待ありがとうございます。お元気になられたようで、何よりです」
と、アルフォンスから白い薔薇の花束を渡される。
彼女を招待した覚えはないのだが……。
一瞬だけ言葉を失っていると、レゼッタ姫がアルフォンスの影からおずおずと出てきてセリスに微笑みかけた。
「すみません、セリス様。私が殿下に無理を言って連れてきていただいたのです」
茶褐色の髪に可憐な白い花を咲かせた姫は、かわいらしくお辞儀をする。
「セリス様はわたくしのお姉様になられるお方。わたくし、セリス様とも仲良くなりたいのです」
「……嬉しいわ、レゼッタ様。どうぞこちらへ」
左手を差し出して侍女に椅子を引かせると、レゼッタ姫は頬を染めて愛らしい笑みを浮かべた。
それに笑みを返しながらも、胸の中にはどす黒い感情が渦巻いていた。
隣国の大事な姫を、巻き込むわけにはいかない。
これも策のうちか、それとも単なる偶然か。
「姉上、ご招待ありがとうございます。お元気になられたようで、何よりです」
と、アルフォンスから白い薔薇の花束を渡される。