Under the ROSE
「ここの青い薔薇も見事ですが、白い薔薇の方が姉上にはお似合いだと、私は思います。穢れなき白い姿が、貴女のようで……」
正面から真っ直ぐに見つめてくる青の瞳。
何を思ってそのような事を言うのか、見極めようと見つめ返した。
「……ありがとうございます、殿下」
白い薔薇を受け取って、深海のような深い青の奥を覗き込む。
底まで太陽の光が届きそうな、澄んだ色。
穢れなき白い薔薇が似合うのは、アルフォンスの方だと思っていた。
妾腹の卑しい身分のセリスを見ても憐れむようなことはなく、責める事もなく、ただ、笑いかけてくれた純真な義弟。
この王宮に、このような澄んだ目をした者がいたのかと。
そう、思っていた……。
「殿下、セリス様」
レゼッタ姫の声で我に返ると、アルフォンスから目を逸らし白い薔薇を侍女に渡した。
「もう1人、招いているのですが……遅れているようですね」
セリスはアルフォンスにも座るように促してから、レゼッタ姫の向かいに腰掛けた。
「リュードですか」
椅子に腰掛けてからアルフォンスが問う。
「ええ。忙しい方ですから。お許しくださいね」
「姉上が謝る事ではありません」
正面から真っ直ぐに見つめてくる青の瞳。
何を思ってそのような事を言うのか、見極めようと見つめ返した。
「……ありがとうございます、殿下」
白い薔薇を受け取って、深海のような深い青の奥を覗き込む。
底まで太陽の光が届きそうな、澄んだ色。
穢れなき白い薔薇が似合うのは、アルフォンスの方だと思っていた。
妾腹の卑しい身分のセリスを見ても憐れむようなことはなく、責める事もなく、ただ、笑いかけてくれた純真な義弟。
この王宮に、このような澄んだ目をした者がいたのかと。
そう、思っていた……。
「殿下、セリス様」
レゼッタ姫の声で我に返ると、アルフォンスから目を逸らし白い薔薇を侍女に渡した。
「もう1人、招いているのですが……遅れているようですね」
セリスはアルフォンスにも座るように促してから、レゼッタ姫の向かいに腰掛けた。
「リュードですか」
椅子に腰掛けてからアルフォンスが問う。
「ええ。忙しい方ですから。お許しくださいね」
「姉上が謝る事ではありません」