Under the ROSE
その声には若干怒気が含まれているように思えた。顔は変わらず微笑みを浮かべているのに、目が、笑っていない。
それを不思議に思いつつ、侍女にお茶を入れさせる。
「レゼッタ様は甘い物はお好きかしら」
「はい、大好きです」
ニコニコと受け答えするレゼッタ姫に微笑を返し、お茶とともに焼き菓子を並べる。
「殿下もお菓子はお好きだとおっしゃっていましたよね?」
レゼッタ姫が甘えるような目でアルフォンスの顔を窺う。
「ええ……」
アルフォンスは微笑みながらも、しかしレゼッタ姫と視線を合わせることはなかった。
それに対し、明らかにレゼッタ姫の顔が曇る。
2人のやり取りを見ていたセリスは、間に漂う微妙な空気を察知し、侍女に目配せをして下がらせた。
「殿下は姫の愛らしさに緊張されているのかしら」
くすくすと笑いながらそう言うと、アルフォンスは困ったように曖昧に微笑んだ。
「セリス様とリュード様もお似合いですわ! ねっ、殿下」
取り繕うように明るく言うレゼッタ姫。
「先日の婚約パーティの時、お2人が踊っている姿がとても素敵で……」
「姉上」
レゼッタ姫の声を遮るように、アルフォンスが口を開いた。
それを不思議に思いつつ、侍女にお茶を入れさせる。
「レゼッタ様は甘い物はお好きかしら」
「はい、大好きです」
ニコニコと受け答えするレゼッタ姫に微笑を返し、お茶とともに焼き菓子を並べる。
「殿下もお菓子はお好きだとおっしゃっていましたよね?」
レゼッタ姫が甘えるような目でアルフォンスの顔を窺う。
「ええ……」
アルフォンスは微笑みながらも、しかしレゼッタ姫と視線を合わせることはなかった。
それに対し、明らかにレゼッタ姫の顔が曇る。
2人のやり取りを見ていたセリスは、間に漂う微妙な空気を察知し、侍女に目配せをして下がらせた。
「殿下は姫の愛らしさに緊張されているのかしら」
くすくすと笑いながらそう言うと、アルフォンスは困ったように曖昧に微笑んだ。
「セリス様とリュード様もお似合いですわ! ねっ、殿下」
取り繕うように明るく言うレゼッタ姫。
「先日の婚約パーティの時、お2人が踊っている姿がとても素敵で……」
「姉上」
レゼッタ姫の声を遮るように、アルフォンスが口を開いた。