Under the ROSE
何か考えがあるのだろうか。油断させてその機会をまた狙っているのかもしれない。
セリスは冷静に彼を見ていた。
「……リュード様は、私を騙しているとおっしゃるのですか」
この宮を出ることを許されなかった憐れで儚げな姉を演じながら、アルフォンスの出方を伺う。
「そうです。だから、彼との婚約は破棄して下さい」
アルフォンスは立ち上がり、セリスの白い頬に手を伸ばした。ビクリ、とセリスの肩が揺れる。
「私は貴女に幸せになってもらいたい……」
頬に触れた手は、思いの他大きくて温かかった。
「姉上、私は……」
どこまでも透き通る青い瞳は、澱みのない心を現していた。
その奥にある本心を探ろうと、ジッとその瞳を見つめ返す。
──何を考えている?
「私は……」
切なげに揺れる瞳。
──何を企んで……
「私が貴女に贈りたい、本当の薔薇は……」
違う。
彼は何も企んでいない。ただ、純粋に──
私を、愛しているのだ。
セリスは冷静に彼を見ていた。
「……リュード様は、私を騙しているとおっしゃるのですか」
この宮を出ることを許されなかった憐れで儚げな姉を演じながら、アルフォンスの出方を伺う。
「そうです。だから、彼との婚約は破棄して下さい」
アルフォンスは立ち上がり、セリスの白い頬に手を伸ばした。ビクリ、とセリスの肩が揺れる。
「私は貴女に幸せになってもらいたい……」
頬に触れた手は、思いの他大きくて温かかった。
「姉上、私は……」
どこまでも透き通る青い瞳は、澱みのない心を現していた。
その奥にある本心を探ろうと、ジッとその瞳を見つめ返す。
──何を考えている?
「私は……」
切なげに揺れる瞳。
──何を企んで……
「私が貴女に贈りたい、本当の薔薇は……」
違う。
彼は何も企んでいない。ただ、純粋に──
私を、愛しているのだ。