Under the ROSE
「妾腹のお前の言葉など、誰が信じるというの!」

今にも椅子を倒して立ち上がりそうな勢いの妃殿下に、セリスは余裕の笑みだ。

「ウィンドル皇帝陛下は、私を認めてくださいました」

「なんですって……!」

「貴女は人の使い方を間違ったのですよ、義母上」

レゼッタ姫は国へ帰り、セリスをエスタ帝国の王に据えるよう、ウィンドル皇帝陛下に強く進言してくれたのだ。

彼女と彼女の国を護ったセリスに心を寄せてくれたらしい。

「近々、サーニャ国の王子が私に会いに来るそうです。上手くゆけば、王子とともに皇位を継ぐことが出来ます。……これで国は安泰ですね」

「っ……」

妃殿下は俯き、肩を震わせた。

「大人しくしていてくださるなら、貴女には何もしませんよ。けれども、まだ私を葬る気があるのであれば、それなりの覚悟をなさいませ」

「……お前がそのような姫だったとは」

呟くように妃殿下が言う。

「貴女に似たのではないですか?」

セリスは勝ち誇った笑みで、そう告げた。




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