sugar
プロローグ
暖かい日差しに包まれてるウッドデッキで、あたし達はケーキを食べていた。
『なあ沙羅(サラ)、sugarって意味知ってるか?』
まだ小学生のあたしに、帰国子女で幼馴染みの空(ソラ)くんがこんな質問をした。
「シュガー?お砂糖って意味?」
『お、正解ー♪だけどもう1つ意味があるんだな。』
このお砂糖じゃないのかー。あたしは目の前にある角砂糖を、紅茶の中に入れた。
『沙羅がもうちょっと大きくなったら、きっとわかるよ。』
「えー?それってどれくらい?空くんくらいになったら?」
空くんは、ショートケーキのいちごを食べながら、そうだな。と笑った。
これから先の未来はきっと、お砂糖のように甘くて純粋だ。そう思ってた、ある春の日だった。