sugar
沙羅side
あれから迷うこともなく、あたしは高校に着いた。
「クラス分けの紙が貼ってあるはずなんだけど・・・。」
しばらく歩いていると、人だかりが見えた。
「あそこだ!」
その人だかりに近づいてみたが、紙は見えない。その先にいたのは、どうやらイケメンの男子生徒らしい。周りの女子が騒いでいる。あたしはそういうのに興味ないし、第一あたしは空くんが好きだ。出会いなんていらないと思ってる。
あたしはくるっと方向を変えて、歩き始めた。そのときだった。
『沙羅ー!久しぶり!』
一瞬時が止まったかと思った。うしろを見ると、そのイケメンがあたしのほうを見ている。おまけに、周りからの視線が痛い。
『なんだよ、シカトするなよー。』
そう言いながらイケメンが近づいてきた。
「だ、誰ですか?あたしの名前、なんで知ってるんですか?」
思わず敬語になってしまった。
空くんと同じくらい、いやもっと背が高い。空くんは細身だけど、この人はがっちりした体系だった。
空くんとしか関わりがなかったあたしには、つまり、あたしよりも遥かに背が高いこの人は、ちょっと怖かった。