sugar
『え。俺のこと覚えてない?』
「・・・全然。」
どこかで見たことある顔だとは思った。けど、思い出せない。それよりも早く、この場から立ち去りたかった。
「あ、あたしもう行くからっ。」
『え、おいちょっと!』
あたしは校舎のほうへ走った。
だれ?あの人。昔会ったことのなる人かな?でも小学校も中学校も女子校だったし、そんなわけはない。あの人と違うクラスだったらいいな。そしたら面倒なことに巻き込まれずにすむし。
ドン!
『痛っ。』
「わ!あ、ごめんなさい。大丈夫?」
『いえ、大丈夫だよ。こっちこそごめんなさい。』
見るとショートカットの可愛らしい子がいた。前を見ていなかったせいで、その子とぶつかってしまったらしい。
「怪我してない?」
『ああ、これは前からなの。わたしバスケやってるから。そんなことより、もうクラス分けの紙、見た?』
「あ、今からなの。一緒に見ない?」
『じゃ、行こうか。わたしは華南美穂(カナン ミホ)です!美穂って呼んでね♪よろしくね。』
「あたしは柚木(ユズキ)沙羅です。じゃああたしのことは沙羅って呼んで!」
『了解ー☆あ、あれじゃない?紙。』
昇降口のところにあった。
「美穂は何組ー?」
『A組!沙羅もAだよ♪』
「本当?一緒だあ!」
『これから1年間よろしくー☆』
「よろしくっ。」
早速友達ができた!あたしはすごく嬉しかった。A組は3階だったので、2人で行くことにした。