性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)
らんらんるーで教室へ戻ると先生はまだ来ていなくてギリギリセーフでワタシとむくろ君は席に着いた。
美夜さんのほうを見てみるけど美夜さんは変わらず怖いオーラを纏っていてワタシのほうなんか向いてくれない。
さあ、どするべ。どうやって切り出そうか。もうワタシのプライドなんて知ったこっちゃない、土下座でもしてやろうか。
うぬ、それしかない。
ワタシは覚悟を決めた。
授業終わりのチャイムが鳴った瞬間、ワタシは勢いよく立ち上がった。そして美夜さんのほうへ向かう!
「美、夜…」
「あ、もしもーし?うん、終わったとこー」
ワタシが声をかける前に、美夜さんはスマホを耳に当て話しだした。
「……っ」
そしてそのまま1度もワタシのほうを見ることなく教室を出て行った。
チクッと胸が痛い。
ワタシは元々人付き合いが華やかなほうじゃない。だけど、美夜さんは知り合った当時からずっとワタシの側にいてくれた。
美夜さんは毒舌だけどワタシと違って、クラスの中心にいるような人気を持つ人柄で…ワタシも美夜さんが大好きだ。
美夜さんの大切にしている漫画をワタシが破いた時にはワタシを責めたり怒ったりしないし、いつだってワタシのバカみたいな話を聞いてくれる、美夜さんはそんな優しい人だ。
ワタシがあんな事言ったから、そりゃあ美夜さんだって人間だ、ワタシが傷つけたんだから離れていく。ワタシが美夜さんを突き放した。
ワタシが悪い。
ワタシがバカだった…1度教室に戻ってきた時にすぐに謝るべきだった…あの時の美夜さんの姿はきっとワタシを待っていた、なのにワタシは呑気に…。
「…そりゃ、本気で怒って…る、よね」
うん、怒ってる。
美夜さん、ワタシが嫌になったに違いない。ワタシなんかが美夜さんの友人を務めて良いわけない!
ワタシは友達を傷つけたんだ。
反省しよう、ただ謝るだけじゃなくてちゃんと謝罪をしよう。