性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)
ワタシは軽くなったお弁当箱を持って教室へ戻ろうと廊下を歩いていた。
すると、そこには教室の入口付近で女子生徒?(多分先輩)に話しかけられているむくろ君がいた。
むくろ君の表情を見てみるといつもより不機嫌そうだ、というか本気で怖い顔をしてらっしゃる。
いったいどうしたのですかね?あ、あの先輩は女子テニス部で一番可愛いと言われているグループの人たちじゃないですか!!!なぬっ!むくろ君はお渡ししませんよぉ!!!
ワタシは近づこうと駆け寄るも、
ドシンッ!!!!
足がもたついてその場に転んでしまった。
あかん、思ったより膝強打したわ。
とても痛い。打ち付けた掌も痛い。
ワタシこんなドジキャラ確立させた覚えないんですけど。
なんか、惨めだ。顔を上げてむくろ君たちのほうを見ると、女子先輩たちもワタシに気付いてこちらを見ている。
そしてクスクスとワタシを見て笑う。
…嫌な感じ、ワタシだって好きで転んだわけじゃないのに。
むくろ君の表情を見るとやっとワタシにお気づきになられ、先ほどとは違って薄ら笑いをお浮かべになられている。
むくろ君に気付いてもらえて幸せな気持ちになったのもつかの間、
「うっわ〜、ダサ〜い」
「ちょーウケる」
それはちゃんとワタシに聞こえるように言っているようだった。