性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)
唇を噛んだ。消えてしまいたい。
ワタシは先輩たちより可愛くもないしスタイルも良くないむくろ君と並べたもんじゃない、こういう時に転んでしまうし…
本当、何してるんだろう。
何がむくろ君はお渡ししません、だ。
今のワタシにその嘲笑いは効果抜群すぎる。立ち上がれなくてワタシはその場に座り込んだ。
「はぁー、何やってんの」
呆れた声がしたかと思うと、腕を上へ引かれた。
「何?打ったの?ほら立って」
「……み、美夜さん」
ワタシに手を差しのべるのは美夜さんだった。ワタシは美夜さんに支えられてなんとか立ち上がる。
「歩いて、保健室行くよ」
驚くワタシをよそに美夜さんはワタシに声をかける。
ワタシへバカにした笑いを浴びせていた女子先輩たちの前を通る時、美夜さんは一瞬止まって口を開いた。
「人をバカにして笑うあんたらの
性格の悪さのほうがちょーウケるわ」
……っ!美夜さん……。
女子先輩たちはバツが悪そうに顔を逸らした。
「美夜さんごめんね、本当ごめんね」
胸が苦しくなって、ワタシは何度も美夜さんに謝った。保健室について手当てをされている間も謝り続けた。