性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)




今日は朝から冷たい視線も送ってくれやしない照れ屋さんなむくろ君ですが、むくろ君がワタシへ与えて下さったカバンにヨダレを垂らしているとお尻に蹴りを頂いた。



さすが、良い蹴りです。脂肪なんて無さそうなその引き締まった体から放たれる愛(暴力)はワタシの胸をくすぐってきます。本当、いい体をしてらっしゃいます。



教室に入ると、むくろ君とワタシの席は離れ離れなので休み時間ギリギリまでむくろ君のお側にいるつもりなのですが。



ここまで来て、本日…むくろ君は一言も喋っておりません。


入学式の時から少し伸びたむくろ君の黒髪は目元を上手く隠して、いつもの澄んだ瞳を拝むことは出来ない。


むくろ君は席に座っているのでワタシはその周りをうろちょろしてみる。



うん、かける言葉が見つからない。
ワタシにしては珍しい。いつもならむくろ君へマシンガントークを与えているはずだ。


ワタシがむくろ君にベタ惚れなのはクラスメイトも熟知しているので特別目立った視線を貰うことなく、みんなはワタシたちの様子に普通に挨拶をくれる。



本当に良いクラ…




「あらイチコ、生きてたのね」



美夜さんの登場である。
ワタシにちょっと酷い言葉を与えるのは中学の頃から同じ学校の女の子、ワタシのお友達美夜さん。名前の通りべっぴんさまだ。





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