性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)
とどのつまーーーり!!!
美夜さんの話をまとめると、
「ワタシ以外にむくろ君の愛を受けている人がいると…っ!そういうことですね!!」
「いや違うから、ほんっっとうに違うから」
ワタシの言葉に空かさず美夜さんの毒がビシッと入った。そして美夜さんは頭を抱えた。
「…なんでこの子こんなにもバカの」
「しゃーなし、元からや」
「哉白は黙っておれ!」
哉白はへいへーい、と返事して並べられた机の上に寝転がった。
只今、むくろ君の威厳は絶賛ダダ漏れ中でありワタシのようにむくろ君に絡んでいく人でなくともむくろ君自ら愛のムチを人々に与えているというのである。
「こーしちゃおれぬ!直ちにむくろ君の元へ行かねば!」
今にも駆け出そうとするワタシの体を何者かにガシッと止められた。
「待ちなさいイチコ」
それはもちろん美夜さんしかいなくて、ワタシは美夜さんのほうへ体を向けた。
「今あんたが竜ヶ峰の前へ出て行ってどうすんの、その体ボロボロでしょ」
美夜さんは赤黒く腫れたワタシの足と腕を見てそう言った。
ぐぬぬっ…!
「でも、でもでも!むくろ君はワタシのもので!ワタシはむくろ君のものなの!」
「ダメよ、それ以上殴られたり蹴られたりしたら危ない」
今度の美夜さんはなかなか手ごわいのである。いったいどうしたというのだ!