性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)
「それにしても困ったわねぇ、七尾さん何か知らない?」
先生は困ったようにワタシの顔をのぞき込んでくる。
ごめんなさい、先生。
お力になりたいんですけども。
「ワタシもよく分からなくて」
というか。ワタシからしたら通常運転と変わりないんですよね。
ワタシ毎日殴られてますし。
最っ高に幸せですけど。イケメンと触れ合えるだけでニヤケまくりですけど。
「今日は何か機嫌悪いのかしらね〜」
「虫の居所が悪かったんですよ、きっと」
ドライヤーで髪まで綺麗に乾かしてもらい、お世話になりましたと挨拶をしてワタシは保健室を後にした。
スキップで教室へ向かっていると途中で転んだけど誰も見ていない。セーフである。
教室へ戻ると授業中で、先生は状況を把握したようにワタシを席に着くように促した。
珍しく起き上がって授業を聞いているむくろ君にワタシは目を丸くしたが、(だって授業中はいつも寝ている)ワタシの後ろの席の生徒がイスに座るようワタシの服を引っ張ったのでなんとか席に着いた。
美夜さんはというと呆れと心配の眼差しを一瞬だけワタシに送ってから再び前を向いた。