性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)




授業は後半だったようで、すぐにチャイムがなった。すると真っ先に後ろの席の子がワタシに声をかけた。眉上で切りそろえられた前髪が特徴的な女の子だ。




「七尾さん、朝から居なかったよね?」


「あー、うん。ただの遅刻だけど」



ワタシは振り向いて彼女の疑問に答えた。




「むくろ君が今日は凄いらしいね」


「そう!そうなんだって!」




言いずらそうだったのでワタシからむくろ君の話題を振ると彼女は勢いよく口を開いた!



「朝から怖かったんだけどね、それで昼休みにさ1人の先生が注意したみたいなんだよ。そしたら他の男子生徒に用意させたバケツいっぱいの牛乳をその先生にぶっかけたの!」



あー牛乳プレイ。
それならワタクシイチコさんもバッチリ拝見しましたわ。


てか、


「あれ…先生だったんだ…」



なんということだ、むくろ君先生にまで目覚めてしまったのか!!ワタシだけじゃ物足りないと…っ!くっ。



「七尾さん、今日は本当に止めといたほうがいいよ」



いやもうさっそく鼻血ブーしちゃったけどね、なんか感動しちゃうなぁこんなに心配されるなんて…ワタシはクラスメイトに好かれているのね…。




「イチコ!」


「え?なんだい美夜さん」



見上げると仁王立ちした美夜さんがワタシを見下ろしている。



じゃ、私行くねー、とおん眉の子は教室を出て行った。




「ああーもうっ」


イラついたように美夜さんは声を張ると、ワタシの頭をグリグリと撫でくりまわした。



痛い…!痛い!首もげるって!!






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