性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)
「美夜にはあいつの良さが理解出来ないけど美夜はイチコの友達だからもうそれでいいよ」
それでいいというのはワタシがむくろ君の愛を受けて満足しているということについてだろうか。
美夜さんはワタシの頭から手を放すと、お得意のデコピンをワタシにかました。
「はうっ…」
「よし、竜ヶ峰をどうにかしてきな」
…どうにかもなにも出来ないと思うんですけど、言わないけど。
ワタシは美夜さんに背中を押され、むくろ君のほうを見た。
すると…どこからかやって来たふわふわした女の子がむくろ君に近づいていった。
あれ誰ですかね?ワタシあんな小動物のような可愛い子見たこと無いんですけど。まさか…ワタシという存在がありながらむくろ君の愛人!?いやいやいや!イチコさんそんなの許しませんよ!!!
そのふわふわガールはむくろ君のすぐ目の前までやって来ると口を開いた。
「あ、あのっ…!」
くりくりとした瞳にぽってりとした唇、聞こえてくる声は柔らかくて優しくてとろけてしまいそうなくらい可愛らしい音色だ。
って、おいおい!ワタシが惚れそうになってどうする!!!いやでも本当に可愛いなオイ!
周りを見ると、教室にいる誰もがふわふわガールとむくろ君に注目していた。