性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)





それを見ていたむくろ君は手を伸ばすと、桜花さんの髪の毛を引っ掴んだ。


見ていて痛いくらいにむくろ君は桜花さんを引っ張り、開いていた窓の外へその頭を押し出した。



桜花さんは声をあげる暇もなく、震える手で体が外へ落ちないように窓の淵に手を引っ掛ける。



それからまたむくろ君の視界にはワタシを捕らえた。



そうだ、竜ヶ峰 むくろとはそういう人なのだ。さすがのワタシもこの状況には頭の中をお花畑には出来ない。


ワタシは以前その窓から落ちた事がある、受け止める人が居なければ確実に死ぬ。



危険だ。桜花さんを助けようと1歩近づくと、


「…っ、!!」



むくろ君の桜花さんの頭を押し出す力は強まり、叫びにならない叫びが響いた。



笑いもしないその表情は何を考えているか分からない。ただ、ワタシをうつすその瞳はワタシを待っているんだと思う。



美夜さんはワタシは黙ったほうが良いと思ってるだろうけど、ここはワタシが話さなきゃいけないと思う。



「…むくろ君、桜花さんを離して下さい」



むくろ君の制服の裾から見える筋肉質な腕にゴクッと喉がなる。本当にいい体ですよね、こんな時になんかすいません。


分かってるんですけど、やっぱりむくろ君かっこよすぎなんですよ!まじで。


むくろ君は朝からなぜだか不機嫌で、だけどそんなのワタシには分からなくて、



ワタシはむくろ君のことを理解出来ていない、桜花さんがむくろ君に何かしたんだろうか。特にしてないですよね。






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