性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)




あの子とは桜花さんのことだ。
ワタシは桜花さんへ視線を向ける。

本当、むくろ君の愛(暴力)に巻き込んで申し訳ないと思う。だけど…




「むくろ君、それは言えません。ワタシとむくろ君は付き合ってます!」



ワタシは自分の非を認めるわけにはいかない!ワタシとむくろ君は両想いなのだ!!絶対!!!結ばれている男女なのだ!!



むくろ君は今度は歯を見せるようにして笑った。むくろ君が楽しいのであればワタシも楽しいのです!!!!


だがしかし!!



「痛い痛い、痛い…です!」


強まった右手の痛みにワタシはギブである。すると、


ベシンッ!!!


ワタシのお尻に衝撃がきた、見てみると美夜さんがワタシのお尻を蹴ったらしい。



「何やってんの?さっさと言いなさいよ、あんたどこまでバカなの?」




見下げる視線がむくろ君より怖かった。
すぐにワタシは桜花さんのほうを見る。




「すいません、桜花さん。ワタシとむくろ君はお付き合いしておりません。」



ワタシは素直にその言葉を口にした。右手にのしかかる重力はスッと消えた。

今のうちにとワタシは右手さんを救出する。美夜さんを含めた多分教室にいる全員のため息がワタシへと降りかかる。






「でもちゅーはしました!!!


…っぐはぁ、っ!」




ワタシのみぞおちにヒットしたのはむくろ君の蹴りだ。頭の上では美夜さんがまだ言うかと呆れている。



すいませんね、諦め悪くて。









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