性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)
バトル3
校内を歩けば、竜ヶ峰 むくろとちゅーした女と竜ヶ峰 むくろの彼女だと思い込んでいる女という2つの視線でワタシは見られる。いやー、なんか照れますね。嬉しい限りですよ!!ふふふ!
「違うわよ、ブサイク過ぎてみんな見てるのよ」
美夜さんの毒はさらに強まった。それでも美夜さんはワタシと一緒にいるのでワタシの事が好きで好きで好きなんだなぁーと思うのです!!ふふふ、可愛いやつめ!
あ、むくろ君の登場です!!!
普段、むくろ君より早く学校に登校しているワタシはむくろ君を校門までお迎えしようと美夜さんを誘って廊下を歩いていた。
「むくろくぅん〜っっ!!おはようございます〜っ!!」
元気よくワタシはむくろ君に向けて両手をブンブンと振る。すると、むくろ君はワタシに気づいてたちまち眉間にシワを寄せる。
「むくろ君、今日はお早い登校ですね!今日も校門でお迎えしようとここまで来たんですよぉ!」
ワタシはむくろ君のすぐ横までかけより彼の顔を見つめながら話しかける。ワタシが犬なら尻尾をブンブン振り回していることだろう。
美夜さんはワタシたちと少し離れた所でスマホをいじってらっしゃる。
「むくろ君!お荷物お持ちしますよ!今日は体育がありますもんね!荷物重そうです!」
「キモ」
踵でワタシの爪先を踏むと同時に、むくろ君はカバンをワタシの顔に押し付けた。
ゲスいですね、そんな所も可愛いです。
むくろ君の不機嫌事件は学校の恐怖の魔王話とされ、あれ以来むくろ君は普通に不機嫌に戻られた。何が原因だったのか、それは誰にもわからない。