期間限定の恋、はじめました。
そう言って、部屋の外に出てきた。


ふぅー……先輩もう来てるかな?
急いで行かなきゃ。


「おい、待てって」


振り向くとそこには本日の主役、達郎がいた。


「もう帰んのかよ」


「うん、なんか主催したのにごめんね」


「……さっきのプレゼント、やっぱちょうだい」


「え?どしたの?いらないんじゃないの」


「気が変わった。それにモノには罪はねぇし。ほら」


そう言って、私の前に手のひらを差し出してくる。


なんていう気分屋なんだと思ったけれど、これを私が使う気にもなれないし。


「はい……誕生日おめでとう」


そう言ってぐしゃぐしゃになった包みの上にヘッドホンを置いて渡した。







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