期間限定の恋、はじめました。
だけれども、そんな私を引き止め、達郎は後ろから私をふわりと包み込む。


えっ、これって…いわゆるあすなろ抱きってやつ!?


「た、達郎、どうしちゃったの?」


なに!?この状況。


こんな胸キュンなこと今まで生きてきてされたことなんてなかったから。


私の心臓は激しく音を立てる。



「行くなよ……行かせたくない。アイツのところになんか行くなよ」


達郎はそう言って少し力を込めて抱きしめてきた。


「たつろ「5日間だけ付き合うなんてありえねーだろ。もう止めろよ。俺なら……そんなことしない。もっとお前のこと大事にできる。だから……」


そっと腕の力を弱め、くるっと達郎のいる側に向けられた。


目の前にいる達郎は真剣な眼差しで私を見つめてくる。


「俺にしとけよ。木南のこと、好きなんだ」


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