期間限定の恋、はじめました。
「明日……三浦先輩のことが終わってからでいいよ」


「え…?」


「先輩が忘れられないなら俺を利用すればいい」


「達郎…?」


「お前そういうことすっごい融通が利きそうにないからな。『まだ先輩のこと忘れられないから達郎くんとは付き合えません』とか真面目なこと言って断るつもりだろ」


「いや、そんな……」


「ズルくなれよ」


ず、ずるく……?


「別に今は俺に気がなくてもいいよ。それで別に俺は傷つかない。先輩のこと忘れさせて俺に気持ち……向かせる」


ーードキッ


そう言って私を見つめてくる目は昨日と同じで真剣そのものだった。









< 55 / 88 >

この作品をシェア

pagetop