終わりの世界の君と僕
「…外に、出たくて」
ぽつり、と今にも消え入りそうな声でうららちゃんは呟いた。
“外”
それが今の、私たちの生きる世界で_______この学園で、どんな意味を表すのかを、うららちゃんも、私も、知っている。
「…ごめんねあいちゃん。止められたって、私は________」
「いいんじゃないでしょうか?」
私の言葉に目を丸くして言葉をなくす彼女に、笑いかける。
「前の世界だと、人間の“自由”ってとっても尊重されたらしいですよ?
外の世界が危険だと知ってなお、うららちゃんがそれを求めるというのは、きっと__________
私たちの、うららちゃんの身体に刻まれた遺伝子が、このクソッタレな現状を許してないのではありませんかねえ」