終わりの世界の君と僕






意味深にふふ、と笑みをこぼすと、うららちゃんはなんだか…泣きそうな顔をした。


そして、泣きそうな顔をしたまま…私の首に腕を絡め、肩に顔をうずめた。


小刻みに震えるうららちゃんの肩。




…私、こういうの…慣れてないんですけどね…




どうすることもできなくて、肩に乗せられた頭をぽんぽんと叩いた。



うららちゃんは…お花畑のような香りがする。


本物の花の香りなんて、この十年嗅いだこともないのに。







< 5 / 111 >

この作品をシェア

pagetop