終わりの世界の君と僕






気を失っている男と、腕を噛み付かれた女が医務室に運ばれると、次のチームの訓練が始まった。



それから先のチームはわりとどこも順調に進んだ。


時々噛み付かれて怪我をする人もいたけど、所詮は怪我だし。




…そのわりには皆この世の終わりみたいに泣き叫んでいたけれど、そんなに痛かったのでしょうか?


…そんなことはないはずなんですけどねえ。




そしてついに、私たちの番がやってきた。



何度目かの透明なガラス張りのその部屋に、足を踏み入れる。



この不思議な空間に慣れることは、三ヶ月に一度という頻度ではなかなか難しい。






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