終わりの世界の君と僕






力が緩んだ一瞬を見計らって、腕の中からなんとか逃げ出す。



静止の声も聞かずに、後ろを振り返ることもなく______訓練室を飛び出した。





頭が、金槌で殴られたみたいにぐわんぐわん鳴っている。


なぜだか涙が止まらなくて、走り続けた。




こんな気持ちを、なんて言うんでしょうか。






あんなイッキくん、私は知らない。






こんな私も、知らない。






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