終わりの世界の君と僕
どれくらい走っただろう。
いつの間にか私は、体育館へと足を踏み入れていた。
…ずいぶんと臭い。
中ではたくさんの一般人が、なにをするでもなく雑魚寝している。
…ここは“最底辺”の集い場でしたね、そういえば。
「お姉ちゃん、親衛隊の人?」
いつの間にいたのだろう。
小さな男の子が、私の制服の端を掴んでいた。
「…いいえ、私は親衛隊ではなく、まだ予備軍です」
男の子は、ボロきれのような布を身体に巻き付けただけの服装をしている。
今はもうそこそこ寒い季節なのに…
男の子の視線までしゃがみこんで、その頭を撫でた。
身体はやはり….冷えきっている。