終わりの世界の君と僕







『好きです。俺と…付き合ってください』




いつだったろうか。


顔を赤くしながら俯いたイッキくんの姿が、脳裏に思い出される。




私には、恋とか、好きとか、そういう気持ちがわからなかった。


私がそう言うと、

『それでもいいから、あなたを護らせてください』と、



泣きそうな顔で言われた。






最初は、嫌がらせ避けになるからいいかな、くらいの気持ちだった。


人を好きになることなんて絶対にないと思っていた。



こんな狂った世界で、そんな綺麗なものが存在するはずないって、諦めていた。







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