終わりの世界の君と僕
道を切り開こうと、ゾンビの群れに問答無用で銃弾を撃ち込む。
倒れているイッキくんの傍に走り寄って、その身体を抱き起こした。
「なんで…なんでこんな数を一人で…!」
さっき私が囲まれたときよりもケタ違いに多い。
まるで…ここに意図的に、集められたような…
「…俺が…ここに、おびき寄せたんだ…
一般人に…被害が…及ばないように…」
群がってくるゾンビたちをなんとか振り払いながら、イッキくんを、強く、強く…抱きしめ続ける。
いつの間にか、私の瞳からは涙が溢れ出していた。