終わりの世界の君と僕







道を切り開こうと、ゾンビの群れに問答無用で銃弾を撃ち込む。



倒れているイッキくんの傍に走り寄って、その身体を抱き起こした。




「なんで…なんでこんな数を一人で…!」



さっき私が囲まれたときよりもケタ違いに多い。



まるで…ここに意図的に、集められたような…





「…俺が…ここに、おびき寄せたんだ…


一般人に…被害が…及ばないように…」




群がってくるゾンビたちをなんとか振り払いながら、イッキくんを、強く、強く…抱きしめ続ける。



いつの間にか、私の瞳からは涙が溢れ出していた。






< 95 / 111 >

この作品をシェア

pagetop