終わりの世界の君と僕






「あい…ちゃん…」



イッキくんが震える手で、私の頬を撫でる。


彼の血の涙が、地面に模様を描いていった。



「ねえ、イッキくん…私、私ね…ッ全部、全部思い出したの…!」



肩に鋭い痛みが走る。



「イッキくんはずっと…そんな私のことを、守っていてくれたんだよね…?」



鈍い痛みを発しながら、暖かい血がどくどくと肩から溢れ出すのを感じた。




「イッキくんは…全部、気づいてたんだね…」




イッキくんにゾンビが近寄らないように、必死に…抱きしめる。






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