あいつ等×バカ
ズデッ…
「いっ…たぁ…」
「わ…わりぃ!!大丈夫け!?」
慌てて駆け寄ってきたのは、同じ制服を着た男の人。
あっ…ちょっといい感じ?
ちょっとカッコイイ感じの人だったので、思わずドキッとしてしまうが…次の一言でその気持ちは一気に吹き飛んだ。
「…つーかドジなとこは変わらんなぁ(笑)」
…前言撤回。
「なっ…なによっ!!そっちがでっかい声出したからびっくりしたんやんかあっ!!」
…あれっ?
待って、今こいつ…なんてった?
変わらんって…何?
その懐かしい人を見るような笑顔は…何?
「……誰?」
眉間にしわを寄せて首を傾げるあたしに対して、露骨にガッカリしたようなリアクションをとる少年。
「はあー!?なんやねんそれ!!ひっでぇー!!忘れたてか!?この俺様をっ!!」
…どこかで聞いた台詞。
「俺様」思考の少年…
背は高くて見下すような嫌味ったらしい目つきの少年……
「……しょう?」
あたしの曖昧な言葉にニカッと笑う少年。
「やーっと思い出したか!!この翔様をっ☆」