あいつ等×バカ
ズデッ…
…こけた。
…本日、2回目。
「あ〜っ!!!」
…そのリアクションも本日2回目。…今度は誰。
…そう思っていると、フェンスを掴む音が鳴った。
ガシャンッ…
「…やっべ。死んだ?」
…その言葉に、ガバッと起き上がるあたし。
「死んでねーよっ!!」
「わっ…生きてた。」
きょとんとした顔で、あたしを見つめる少年は…
こんがり焼けた肌に、坊主に近い短い髪。
カッターを捲って、そこから見える腕は筋肉質。
…かなりの野球少年っぽいオーラが出ていた。
その証拠に…あたしの足元にあったのは、汚れた野球ボール。
「…つーか今時、ボール踏んでずっこける奴いるか?…漫画やん(笑)」
…そう無邪気に笑う姿に、あたしは一瞬見とれてしまった。
…しかし、バカにされたことに気づいて、すぐに現実に戻った。
「こっ…こけたくてこけたんちゃうし!!ボールが悪いんやんっ!!」
「…ボールに逆ギレかよっ!!(笑)」
「笑うなあっ!!//」
更にケラケラ笑われ、恥ずかしすぎて思わずボールを投げようとすると、その手を掴まれた。